聴くクスリ

岡安トリオ

今日は大事なスペシャルだというのに仕事の都合で遅刻!1セット目の終りかけだった。 みっちゃん、平林さん、広井夫妻などいつもの面々は既に陶酔中・・・。 僕はといえば遅れてきたうえに体調が絶不調で、1杯目のビールがなかなか空かない。 1セット目のクロージングはパーカーのブルース「ビリーズ・バウンズ」。 北川さんと岡安さんが小気味良いテンポでテーマをユニゾン。うーん、気持ちいい。 一瞬、体調不良がどこかへ行ってしまった。

岡安トリオ さて、テンションを高めて2セット目に臨もうと気合をいれるが、やはり体調が芳しくない。 僕の場合、体調が悪いと酒の味がいつもとがらりと変わる。今日がそうだった。 2セット目は「テンダリー」で始まる。繊細なギターだ。こ、こ、これはいいぞ! 僕の大好きな「音」だ。それにシンプルなトリオ編成もいい。酒は相変わらず進まないが 気分は良くなってきた。岡安効果だ。バラードから一変して2曲目は「セント・トーマス」。 マスターのソロも絶好調だ。お次は「バット・ビューティフル」。演奏がどんどん良くなって いくに従って僕の体調も不思議と良くなっていった。というより、体調不良を忘れるくらい いいギターだった。北川さんの力強いソロベースで始まった次の曲、延々と続くかと思われた ベースの奥からやっとテーマが浮かびあがってきて、すかさず岡安さんとマスターが絡んでいく。 絶妙の間であった。曲は「アローン・トゥゲザー」。もう体調などどうでもいい。酒もいらない。 この弦が聴こえている間、気持ちよく過ごせればいい。事実そうなった。まるでクスリだ。 マスターの軽快なブラシワークとともに次の曲「CUTE」が始まる。 僕はもう目を閉じて耳に全神経を集中させていた。あふれ出るフレーズの嵐に、学生時代に よく聴いていたジョー・パス、ジム・ホール、タル、ウエス、ケッセル、バレルといった 大御所たちが次々と頭のなかに蘇ってきて、胸を締め付けられる思いがした。 そして、ちょっとしたMCが入り「この曲は演るのに勇気がいるんですが・・・」といって 紹介された曲は「枯葉」。それも、あえて「サムシンエルス」調の挑戦的な「枯葉」だった。 でもさすが岡安さん、マイルスに全然負けてない!もちろんマスターもアートブレイキーに負けて ないし、北川さんもサムジョーンズに勝っている。すっかり鋭敏になっている僕のお耳に飛び込んで きた次なる曲は「オーニソロジー」。パーカー好きの僕にはこの選曲がまた堪らない。岡安さんは れっきとしたバッパーだった。とことんカッコイイ「オーニソロジー」を聴くことができた。 そのまま「ビリーズバウンズ」に移って大喝采で2セット目終了。まーだ、帰さねーぞー!という 気持ちで一生懸命アンコールの手拍子を続ける。そしてアンコールはクールダウンにちょうど良い ビクターヤングのバラード「ラブレター」であった。これまた目を閉じてじっくり堪能させて頂いた。 すぐさまCDを買いに岡安さんにかけより、しっかりサイン&握手をGET。バグに岡安ファンが多い理由が よーーーく理解できました。ちょっとだけ余韻にひたっていたが、体を気遣い打上げ前に店を後にすることに。(珍しい) それにしても「聴くクスり」は本当に良く効いた。 ギターでこんなに酔わせてもらったのはブルーノート東京で今は亡きジョー・パスの演奏を聞いて以来かな。 その晩、CDを聴きつつ一晩グッスリ眠ったら、次の日はなんとか体調が戻っていた。 みなさまもスペシャル前は十分に体調を整えておきましょう。

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