春の嵐

ダルマ

北川さん 岐阜もすっかり春めいてきて、BAGUへの道のり、いたるところで沈丁花の香りを楽しむことができるようになった。 沈丁花は嗅覚で楽しむ花で、毎年この春の香りをかぐと自然に気持ちがハイになる。僕流の楽しみ方はこうだ。 前方に沈丁花の姿を見つけたら、まずは歩速を緩めて思い切り鼻で息を吸い込む。 すると鼻腔をくすぐる香りがだんだん強くなってきてやがて花の前に到達。ここでちょっと立ち止まる。 いつまでもかいでいると怪しいヒトに思われるので再び歩速を上げて次のポイントまでひたすら歩く。 これを繰り返し、BAGUに着く頃はすっかりハイになっているというわけだ。まさに僕にとっては合法的なドラッグ。 こんなとき「花粉症じゃなくてよかった」とつくづく感じる。今日は北川さん御推薦のユニット「DRMH」(ダルマ) のライブで水曜日とはいえ明らかにスペシャル級である。到着したときには1曲目「monk's dream」が始まっていた。 北川さん以外は外国人。ビジュアル的にいつもの水曜とはまったく違うステージにちょっと戸惑い気味にいつもの席へ。 ダニーは1月に名古屋で聴いたことがあったが、その時はちょっとしたファミリーコンサートで司いつ子さんの歌伴であった。 ところが今日はその時のダニーとは別人のようだった。曲も演奏もアグレッシブ、これが真のダニーの姿であろう。 MCも英語と日本語を交えてビシッ、ビシッと進行していき、明らかにいつもの水曜とは一線を画している。 僕の知ってるなかでは、BAGUで日本人以外のピアニストはジュニアマンス以来、黒人ドラマーは初めて、パーカッションが 入ったのも初めてだ。2曲目はドラムのマーヴィンのオリジナルで「summertime」をイメージして書いたという「marvin's time」。 3曲目は「united」、息もつかせぬパワフルな渾身の演奏が続く。パーカッション入りのコンボは殆ど聴いたことがなかったが 予想以上に存在感があって、華のあるパートだ。ドラムとの掛け合いもエキサイティングで素晴らしかった。「ダルマ」はルベン がいないとまったく違うバンドになってしまうだろう。「DMH」(ダマ)ではちょっと締まらない。 さて4曲目はダニーが「タマニハシズカナキョクヤリマス」と言って、「never let me go」を披露。 ビル・エバンスへのオマージュか・・・。ダニーはバラードもよい。5曲目にまた激しい曲に戻って1セット目終了。

ダニー 2セット目はダニーのオリジナル曲でスタート。その後はウエインショーター、モンクと黒人ジャズメンの曲が続き、4曲目に あらわれたのが「in your own sweet way」、そうブルーベックの曲だ。BAGUでブルーベックの曲を聴くのは初めてだった。 個人的にはエディ・コスタというピアニストがヴィブラフォンで演奏しているテイクが大好きでかなり思い入れのある曲だ。 この曲、北川さんのベースが最高だった。フレーズをユニゾンでうなりながら躍動感たっぷりにソロを展開。スゴイ! さすが推薦ユニットだけあって北さんもノリにノッている感じか。まさに春の嵐のような激しい好演に大満足。 ラストは再びダニーのオリジナルで締める。これがまためっぽう元気な曲で、ドラム、パーカッション、ピアノ、ベースが 跳ねる跳ねる・・・。当然、客席はアンコールを要求。「イチオウヨウイシテマス」と悪戯っぽい笑みを浮かべ、これもオリジナルだろうか妙に 耳に残る曲を演奏してライブ終了。いやー、疾風怒濤とはこういう時に使うのだろうか、春の嵐は心地よい充足感を残して過ぎていった。 さて嵐が去って酒と肴でくつろぐ面々、彼らは実にナイスガイであることがわかった。みんな日本語が達者で、ダニーは名古屋弁の 心得もある。ルベンは僕とほぼ同世代。一番イイ男で、これまた日本語は堪能。マーヴィンは今日は運転手ということもあり お酒は飲んでいなかったが実は普段も殆ど下戸であるという事実が判明。演奏の時とは一変して、ソフトで大変控えめな紳士である。 そしてもうひとつこのユニットの特徴・・・彼らはデカイ!190cmはあるであろう大男集団である。 もちろん北川さんは別。しかし北さんも唯一の日本人として、しっかり「横幅」で彼らを圧倒していた。 とにかく見た目もヘビー級のバンドであることに間違いはない。また聴きたいなー。次回BAGUに嵐が吹くのはいつであろうか。楽しみに待つことにしよう。

ルベン 記念撮影 ダニー
戻る