ワールドカップ応援ライブ!

中本マリさん
あれは去年の12月21日のこと・・・
その晩、BAGUの3Fでパソコンのセッティングを終え店に下りてきた時のことが昨日のことのように蘇る。扉を開けたらマスターがいた。 お仕事から戻ってきているようだ。奥には北さんの姿も見える。 「お疲れ様です〜!」と声をかけながら更に進んでいくと北さんの前に女性の姿。 ちょっと暗いテーブル席でニッコリ微笑んでいる人が誰だか把握するのに0.5秒を要した。 「な、な、な、な・・・」すでに気が動転して、続く「かもとまり」がもう声にならない。 失礼ながら指までさして、口を「な」の形にしたまま、まともに挨拶ができなかったこと を覚えている。BAGUで様々なビッグネームと直で対面する機会を得るなかで「ほぼ完治した」と思われた 「ジャズ因性石化症」が再発したようだ。あこがれのジャズメンの前に出ると緊張のあまり体が 硬直して石のようになってしまうやっかいな病である。この時のように「不意打ち」を食らうと ひとたまりもない。「再人化」した後、やっとまともな挨拶を済ませ、そそくさとカウンターへひっこんだ。 しかしビールを飲みながらも耳は完全にダンボ状態。さらに背中まで耳にして全神経を背後のテーブル席に集中させる。 僕の異様な雰囲気に気づいたのかマスターが「そんなとこで飲んどらんとこっちこやー」と声をかけてくれた。 その時の僕にとって、その声は言うなれば「ビーチフラッグ競技」の笛だ。物凄い勢いでグルリと体を反転させ 「旗(中本マリさん)」に向かって一目散に駆け寄った。カウンターからテーブルまでの距離はわずか50センチだというのにである。 その後は、ピアノの岩崎大輔さん、パイプのマスター(通称マッチさん)も交えて大変幸せな時間を過ごすことができたことは言うに及ばない であろう。ちょっと早めのクリスマスプレゼントだったかな。さて長々と過去の話を持ち出してしまったが、この時の談笑の なかで今日のBAGUライブが決定したということが言いたかったわけだ。その晩は「では、6月にお待ちしております。 素晴らしいライブ期待してます」と言って分かれた。そしてその日がやってきた。これほどの期待を持って臨むライブも珍しい。

前半戦はこんなのやりました
1.blue monk(trio)
2.sound for sore ears(trio)
3.you'd be so nice to come home to
4.i could write a book
5.blues(曲名不明)
6.smoke gets in your eyes
7.on green dolphine street
折りしもサッカーのワールドカップ真っ最中である。僕なども俄かサッカーファンになりすまし一生懸命トルシエジャパンを応援している口だ。 前半戦キックオフの笛と同時に「blue monk」が始まった。オーソドックスなプレースタイルを持つ岩崎さんのピアノ。ボーカルのバックにビタッとはまり そうな感じ。今日は守備的pfのポジションでピッチを駆け回る。ディフェンダー北川さんも好調を維持している選手の一人。そのフィジカルの 強さと卓越したテクニックはまさに守備の要である。昨年12月以来という岩崎さんとのコンビネーションも高い精度を保っている。 一度組んだ相手ならいつでも瞬時にそのプレーに合わせることができる、プロ中のプロだ。そしてキーパーはもちろん猿渡泰幸。 岐阜の守護神は今日もリズムキープに静かに闘志を燃やす。前半10分、自陣でのボール回しが続いているなか2曲目が始まった。 「Sound For Sore Ears」というジミーヒースの曲。守備陣の肩も温まってきたようだ。この2曲の調子からすると今日のゲームも硬い守りが期待できる。 そしていよいよピッチにFW中本マリさん登場。岩崎さんからの鋭いパスを受け、渋いドリブルで敵陣へ切り込んだ。そしてシュート! 最初のシュートは「you'd be so nice to come home to」・・・。ジャズのライブをサッカーにこじつけるのは明らかに無理があるのでほどほどに しておこう。

MCでいきなりマリさんが「ニッポン!」「ニッポン!」と叫びマイクを客席に向ける。いきなりのことで客席はシーン。 「あれ?岐阜ではワールドカップ盛り上がってないのー!私は日本代表の彼らにたくさんエネルギーをもらってます」と話すマリさん。 今日は「代表イレブン」のエネルギーで満たされていつもより素晴らしいステージになることだろう。 再び「ニッポン!」をコールするマリさんに続いて、今度は客席も「チャチャチャ」で返した。岐阜だって盛り上がってますよ! しばしステージとの一体感を楽しんだ。 マリさん
皆さんご一緒に「ニッポン!」

猿渡さん
遊びに興じるジョージ
「on green dolphine street」は最初にこう断って始まった。「では1セット目最後はステージでみんなで遊びます」と。 自由奔放なスキャットを交えて、岩崎トリオの各人と会話を楽しむマリさん。確かに遊んでいるようだった。ヒジョーに楽しそう! 店内は、自然に手拍子が起こり「粋な遊び」に全員参加。中本マリの真骨頂だ。マスターのタイコとの掛け合いがそのクライマックス。 猿渡泰幸、北川弘幸は下の名前が紛らわしいということで中本マリさんがマスターにニックネームをつけてくれた。
その名も「ジョージ猿渡」(これはウケた!)
いよいよ偉大なドラマー「ジョージ川口」「ジョージ大塚」の仲間入りか。

岩崎さんは、実は福岡在住。マリさんの専属ピアニストである一方、自己のグループも持って精力的に活動している。 福岡と東京を行ったり来たりで、「いつも岐阜上空を通るんだけど、なかなか降りることはない」と言ってたっけ。 北川さんは「非常にやり易い!」とプレーヤーとして絶賛していた。バックにまわったときその真価を発揮する玄人好みのミュージシャンだ。 物腰柔らかく落ち着いた面持ちでピアノに向かう姿は一瞬クラシックのピアニストを連想させる。 岩崎さん
中本マリ「専属」なのです!

後半戦1曲目は岩崎さんのオリジナルでスタート。そしてマリさんが登場してまずはエリントンナンバーから。ハーフタイムにしっかりアルコールを補給したサポーターは ハナから手拍子でノリノリ状態である。「my favorite 〜」は殆どのヴォーカリストがレパートリーとしている大スタンダードだ。 みっちゃん曰く。「みんなそれぞれ味があって違うんだよな〜」としみじみ語っていた。マリさんのそれは、パワフルでドラスティック。 マリさんのMCはちょっとカワイイ。声がである。歌の時とちょっと違う。4曲目はガーシュインのバラード。もうメロメロになってしまう くらいの甘い歌。これには客席も全員聴きほれた。素晴らしい、後で聞いたらマスターも演奏しながらメロメロになっていたらしい。 お次は打って変わってラテンタッチの激しいノリで楽しませてくれた。北川さんの跳ねるベースが痛快そのもの!

本日、カウンターの一番前に座っていたのは「中本マリさんの曲がきっかけで結ばれた」というご夫婦であった。 そんなお二人にマリさんのオリジナル曲が捧げられる。「愛を怖がらないで(don't be afraid of love)」は曲としての完成度が高い。 「風雪に耐えて何十年も歌い継がれてきたスタンダードたち」と同等の風格を持った素晴らしい曲だ。 アンコール兼クールダウンの「over the rainbow」は中本さんの魅力のすべてが詰った贈り物である。ほぼ「聴き飽きた」感のある この曲にこんなに味わいがあるとは・・・驚きの一言!僕の中でこの曲を蘇らせてくれた。 さらにマリさんは客席の奥深くまで入ってきて皆に平等に歌を分配する。こんな歌手はいままでで初めてだ。 あらゆる面でワクにとらわれない自由さがある。それが常に日本のジャズシーンの先頭集団のなかにあって、まったく色あせずに いられる秘訣か・・・。ここで静かにライブ終了かと思われたその瞬間、岩崎さんが静かにワルツを弾き出した。マリさんは マイクを置いて生声でワンコーラスだけ全身全霊をこめて歌ってくれたのだ。体にブルッと電気が走ったのは僕だけではなかろう。 最後の最後はみなで元気にニッポンコールで今度こそ本当に幕が引かれた。 素晴らしいライブをありがとうございます。人気の秘密がとくと理解できました。こうやってみんな虜になっていくんでしょうね。 まさにワン・アンド・オンリーな歌手である。最後に「マリさん!」「チャチャチャ!」「マリさん!」「チャチャチャ!」・・・ 以降10回繰り返して下さい(笑)

後半はこんな感じ
1.twists and turns(紆余曲折) (trio)
2.don't get around much anymore
3.my favorite things
4.embraceable you
5.day by day
6.don't be afraid of love (original)
7.love for sale
8.over the rainbow (an encore)
9.tennessee waitz (an encore)

岩崎3
今日の守備は堅いです・・・
中本さん
皆、ビックリ!ove the rainbow
記念撮影
また来てね〜!!!

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