With Sweetheart

鈴木夫妻

前回、学さんのライブ(しかも珍しいトリオ)を夏風邪により聴きそびれているが、あっというまに また学さんのライブがめぐってきた。このようにBAGUでは、いわゆるレギュラーバンドといわれる数バンドが毎月、 或いは隔月で岐阜にやってきてくれて僕らを楽しませてくれる。もちろん、どのバンドもオーナー猿渡氏の厳しいお眼鏡に かなった地元の実力者ばかり。さらに、地元岐阜の学生ミュージシャンにも演奏の場を提供し、自らカウンターで厳しい目を 向ける。そして終了後に色々とアドバイスをしている姿を何度か見たことがある。どんな練習にも替え難い「人前での演奏」 が彼らを大きく成長させ、やがて正式なレギュラージャズメンとしてBAGUに帰ってきてくれる・・・ハズだ。

「みんな、売れっ子になってもBAGUで演奏してね!」

学さんは既に売れっ子だが、ちゃんと毎月BAGUで演奏してくれる親岐阜派ジャズメンの一人だ。 そして今日は、ナント・・・奥様ご同伴。学さんの奥様(山下チカさん)はボーカリストだと 聞いていたので絶対に歌が聴けるはずである。いや、歌ってくれなきゃ返さない・・とそんな気持ちだった。 なぜなら僕は二人の共演を9ヶ月間も待っていたからだ。詳しくはコチラをごらん頂きたい。 さて、今日はのっけからフルートを手にとったりなんかして、いつもと趣向を変えて「涼しげ」なステージになっている。 更に2.ではクラリネットに持ち替えさらに涼しさを増した。そして涼しげなのは学さんだけではない。 いつもは弦が焼き切れるんじゃないかと思うほど熱く激しいギターを弾く「関のジョーパス」小森さんが今日はエレガットをかかえて 座っている。いつもの「弾くほどに熱くなる」小森スタイルだと、ナイロン弦が溶け切れるのは時間の問題だ。 ところが、小森さんもいつもとスタイルを異にしてソフトな癒し系ギターで攻めてきた。

そしていよいよチカさん登場。第一声「鈴木の妻でございます」。そして深々と頭を下げた。 いかしたMCに店内大爆笑。間違ってはいないが、妙に可笑しかった。さて、つかみはOK! 歌はいかに?しっとり大人の雰囲気をたたえた落ち着いた笑みは、カウンターから見ると余裕たっぷり に見えたが、実際はどうだったんだろう。カウンターで交わされていた「鈴木京香に似てる」というひそひそ話は 聞こえただろうか。「olha,que coisa mais linda 〜」涼しげなポルトガル語を耳にした瞬間、ブラジルもの大好物の 僕はひそひそ話しをやめてステージにのめりこんだ。「tall and tanned and young and lovely 〜」ではないのだ。 学さんと小森さんが一生懸命に冷やしてくれた店内に澄みきった風が吹き抜けた。 その風はチカさんの綺麗に通る声から発せられている。ボサノバはボサノバとして歌うのが一番だ。 ジョアンジルベルトは、ジョビンが商用に書き起こした英語詩を頑として歌わなかったという。 ボサノバのメロディーに乗せたときに一番美しく響く言語はやはりボルトガル語であろう。 この一曲でカウンターの評価は固まった。もちろんハナマルである。小粋にスイングする4.をはさんで 再びブラジルもの。そしてこれもポルトガル語で熱唱・・・といいたいところだが、ボサノバは熱唱してしまったら その魅力が半減してしまう。もちろんチカさんもその辺はちゃんと心得ていてとことん「ボサノバ」で通してくれた。


first set

1.i wish i knew (fl,ts)
2.in a sentimental mood (cl)
3.garota de Ipanema (vo : Chika)
4.our love is here to stay (vo : Chika)
5.chega de saudade (vo : Chika)
6.arab arab (ts)
小森さん、飯沼さん
今日は珍しくエレアコです

猿渡さん
今日は終始ニコニコでした

second set

1.solar
2.foolin' myself
3.triste (vo : Chika)
4.i didn't know about you (vo : Chika)
5.samba de orfeu (vo : Chika)

2セット目は普段の鈴木4が戻ってきた。と思いきや、2.では素晴らしいスイングが飛び出した。 ビリーホリデーで有名なこの曲は、学さんが再びクラリネットを構える。 古いの大好きなマスターはもうニコニコ顔でドラムを叩く。小森さんはオールドスタイルで黙々とコードカッティング、飯沼さんも 意識して跳ねるベースを聴かせててくれた。ほのぼのとしたノリに大満足。まさに「30年代から70年代まで隈なく網羅するバンド」 の真骨頂だ。そしてチカさん再登場。まずはお得意のボサノバでスタート。もう何も言うことはない。 楽しむのみだ。4.は、マイナーなエリントンの曲。どこかで聴いたメロディーだ。打ち上げでも話題になったが、誰のバージョンを 聴いたのかまったく思い出せない。気になって真夜中に家に帰ってからCDをあさってやっと見つけた。 エリントンのコンピュレーションCDに「ダイナ・ワシントン」バージョンが入っていたのだ。何気なく聴き流していた こういった曲が「ライブ」で生演奏されるのを聴いて一気にお気に入りになるということはよくあることで、 この曲も即フェイバリット・ソングの仲間入りだ。今晩の締めくくりは、お約束のようにポルトガル語でサンバときた。 学さんはフルートでやさしく寄り添う。ここに管とボーカルの強力なコンビが一丁あがり! もちろん、今後のBAGUライブは「セットで」ということになる。 BAGUにまた新しい歌姫が誕生した。

鈴木夫妻
それにしても気持ちのイイ声です
学さん
クラリネットは初公開


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