なつかシリーズ

東トリオ

松栄堂楽器トライアングル
今日は最小編成のトリオ、そして全員岐阜出身ジャズメン。 とくれば、そのライブのリラックス度はもはや計測不可能、針が振り切れてしまうくらいである。 ライブ前のカウンターはミュージシャン達で賑やかに盛り上がっていた。 東さんは松栄堂楽器本店の店長さんであり、ピアノの先生でもある。ベースの北浦さんは、現在名古屋に家を構え 活動拠点も名古屋に移しているものの、出身は岐阜である。今日彼は、お母さんをこのBAGU ライブに招待していた。孝行ベーシストだ。「こうこう」といえば、北浦さんは高校時代から既にベーシスト としてクラブで演奏していたらしい。そして、当時入り浸っていたのが「松栄堂楽器」であった。 東さんとはその頃からの古い付き合いであるという。さらに東さんの入社の時期と、マスターがドラム講師を 始めた時期とはほぼ一致する。松栄堂楽器を通してつながるこのトリオ。とにかく皆長い付き合いということは確かだ。
郷愁の秋
東さんのライブは、その選曲の面白さがひとつの特徴である。渋いタンダードのなかに「東色」ともいえる 特有の曲をおりまぜるのだ。その特有の曲とは・・・・。日本人なら誰でも知っているであろう童謡、唱歌を ジャズにアレンジして聴かせてくれる「なつかシリーズ」のこと。今日はいきなりオープニングから 飛び出してビックリ!さらにお得意の2.を経て、ポールマッカートニー来日記念と銘打って3.を披露。 こちらは日本人すべて懐かしいというわけにはいかないが、中学時代に学校で1,2を争うビートルズおたくだった 僕にとっては立派な「なつかシリーズ」だ。
ポ〜ル〜!ちょっとだけ回想・・・
22年前、ビートルズ解散以降初めて来日したポールが、あろうことか「ご禁制の草」を所持していたため、そのままお縄 となり、強制帰国させられたロック史に残る珍事件をご存知だろうか? 当時高校生だった僕は、チケット発売の日に同好の士2名を引き連れて始発電車で名古屋駅のプレイガイドを目指した。 既にかなりの列ができており、ちょっと不安がよぎったがそのまま並んで開店を待つ。やがて店員さんが整理券 を配り始めた。「整理券は限られています。券が無い方はお買い求めできませーん!」とメガホンで叫んだ瞬間、 人の列にビッと緊張が走る。「頼む!ここまで来てくれ!」ホントに祈るような気持ちで前方から迫って くる係員を凝視していたが、めでたく3名ともチケットをゲット!そして僕らの3人くらい後ろで券は尽きた。 後方で泣き出してしまう女の子、係員に怒声を浴びせかける男性、胸を撫で下ろす僕ら、まさに悲喜こもごもの朝となった。 それなのに、それなのに・・・・なんてヤツだ。ポールのアホ!チケットはそのまま持っていれば記念になっただろうが、 当時の¥3500は高校生にとっては貴重なお金である。コピーをとり、泣く泣く払い戻をした。 東京に住んでいたら間違いなく拘置所に出向いて、みんなと寒空の下「Yesterday」の大合唱に加わっていただろう。 次のチャンス到来までは、実に10年の歳月を有した。 当時僕は東京で学生生活を送っていたため拘置所でもどこでもいける万全の状態(笑)。 しかし90年の公演は無事に「東京ドーム」で見ることができた。まさに夢のような一夜だった。 ・・・そんなことを思い出しながら「my love」を味わう。 あれから12年か〜。そりゃ懐かしいはずだ(笑)。


first set

1.annie laurie
2.softly as in a morning sunrise
3.my love
4.blues
猿渡さん
今日はいつになく上機嫌!

北浦さん&東さん
このコンビは珍しい?

second set

1.i got a rythm
2.feel like makin' love
3.旅愁
4.alone together
5.夏の思い出

2セット目も、シリーズは続く。2.も確かに懐かしいが、やはり3.が真打であろう。

    「ふ〜けゆく〜秋の夜〜♪」

まさに歌詞通りの季節に響く、美しくもやるせないメロディー。もう、たまりません。 アレンジもGOOD。たっぷり賞味させて頂いた。そして、合間にはさむスタンダードがまたにくいのだ。 どことなく哀愁を帯びたマイナー調のメロディーが、前曲の「懐かし感」を温存したまま次第に濃厚なジャズ に仕上がってゆく4.は、古いミュージカルの挿入歌。リアルタイムでそのミュージカルを見たアメリカの 「おじいちゃん」や「おばあちゃん」はきっと泣いて懐かしがることだろう。

実はこの「なつかシリーズ」は後ろでタイコをたたいているマスターもかなり支持しており、ニコニコしながら 楽しそうにプレイ。5.は、そのマスターのリクエストだ。ちょっと季節外れだが、遠い日の夏が 眼前に蘇ってくる。味わい深いライブが終わり、いつもとちょっと違った満足感を胸に家路についた。 おっと!「家路」なんかもやってほしいなー。次回、それとなくリクエストしてみよう。

東さん
東さんの、コミカルなMC
北浦さん
今日はお母さんも聴いてます


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