真夏の幻影? 「テツ・ナッチ」

粥川なつ紀&川嶋哲郎
粥川なつ紀(ts) 川嶋哲郎(p)

ハプニング
BAGUライブのアフターアワーはいろんなことが起こる。 だから本当は、先に帰ってしまうのは勿体ないのだ。しかしながら、活字にできないことが多いのでHPで公開できないのが残念といえば残念。 その点、今夜のハプニングは堂々と活字にできるし、写真にモザイクを入れる必要もなし!(笑)
攻めダルマ 川嶋名人
川嶋さんと熱いサックス談義を交わしていた御存知「岐阜のキャンダル」ナッチ。 途中、こんなやりとりが僕の耳に飛び込んできた。
   「俺のサックス吹いてみなよ。伴奏してあげるから」
川嶋さんは有無を言わせずナッチにテナーを渡し、ステージへ歩いていった。 テナーを手に目を丸くして固まってしまったナッチ。口から出てきたの意外にも固辞の言葉。
   「だめです!できません、ホントにテナーは吹けないんです〜!」
そんなナッチの声なんか全く意に関せずといった感じでピアノに指を這わせる川嶋さん。 この時点で店内の目はこの二人に釘付けとなったことはいうまでも無い。 赤縁の眼鏡の奥から発せられる強烈な「目力」に引き寄せられるように、ナッチもフラフラっとステージへ。 そこでまた頑なに固辞するが、川嶋さん相変わらず聞いちゃいない(笑)。
   ナ 「ゴメンナサイ!できないんです。ホントなんです」
   川 「まあそう言わずに。ブルースやろうか」
   ナ 「エ〜ン、でぎばぜ〜ん」(泣き入ってきました)
   川 「じゃ、バラードいこう。何か知らない?何でもいいよ」
   ナ 「ホントに、勘弁して下さい!」(懇願状態・・・)
   川 「いいじゃない、ちょっとだけ」(押しの一手!)
川嶋さんの押しに負けたか、目を閉じて長考約3分の末、パラパラとスケールを吹く野太い音が深夜の店内に響き始めた。 ナッチ陥落・・・。覚悟を決めたその目はキリッ締まり、戦闘モードに入ってゆく。 「ナッチ、ガンバレ!」思わず掛かる応援の声、また声。
至福の時間
川嶋さんは坦々とブルースの伴奏を開始。その小気味よいウォーキングベースラインに乗ってナッチが濃厚な12小節を 繰り返す。延々と続くかと思われたその時、深夜ということあり近隣へ気を遣った猿渡さんが、この夢のセッションをエンディングに導いた。 その瞬間、テナーを抱えたまま両手で顔を覆い、ピクリとも動かなくなってしまったナッチ。 この時、ナッチの胸に去来していたものは果たして何か・・・。やがていつものさわやかな笑顔が戻ってきて一言。
   ナ 「こんな吹きやすい楽器、初めてかも・・・」
そして川嶋さんからもお褒めの言葉を頂いた。
   川 「結構、いい音してるじゃない!」
第一ラウンド
このセッション、実はまだ第一ラウンドに過ぎない。 将来、東京で肩を並べて吹いている姿がきっと見られるはずだ。その時は、もちろん本職のアルトでね。 そして、今夜の出来事がよき想い出として語られるであろう。 さあ、テツ・ナッチの第二ラウンドにはいつどこで・・・。あなたも今度はギャラリーとして応援してみませんか。

ナッチ
え〜、吹けませんよ〜
ナッチ&川嶋さん
ホントに、吹けないんですってば〜
川嶋さん
この子、普段は結構吹いてんでしょ?
川嶋さん
いい音、してるじゃん!


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