真夏の同窓会

大野俊三カルテット
大野俊三(tp) 竹下清志(p) 北川弘幸(b) 猿渡泰幸(ds)

熱闘甲子園
今日の第三試合、地元岐阜代表である「県立岐阜商業高校」が石川県の遊学館高校と対戦した。 結果は6−3のダブルスコアで惨敗。甲子園での通算勝利数全国4位(80勝)、全国制覇4回(春3、夏1)を誇る超名門校が、 このところなかなか結果を出せないでいる。だがしかーし、県岐商ナインよ決して肩を落とすことなかれ! 今夜は君たちの偉大な先輩たちが、地元岐阜で大活躍する特別な夜なのだから・・・。
岐阜を変えた大切な出会い
猿渡さんと大野俊三さんはご存知の通り県岐商の同級生。 ここでこの二人が出会い、猿渡さんがジャズの道に引きずりこまれていなかったら、今頃BAGUは単なる喫茶店、 或いは焼きそば屋さんだったはず。岐阜だって、これほどジャズの盛んな街ではなかったかもしれない。 というわけで、県岐商は何もスポーツだけではなく、文化面でも世界に誇る人材を輩出しているのだ。 俊三さんを輩出したことは、甲子園での勝ち星50勝くらいに相当するので、実質は勝利数も優勝回数も全国1位 に躍り出るはずだが、どうやら公式記録には加味されないようだ(当たり前じゃ〜)。
旅の目的
今回はプライベートな来日ではあるが、この旅には或る目的があったようだ。 それは「郡上踊り」を体験するというもの。とは言っても急に郷愁にかられたわけではない。 俊三さんには「日本の詩情」に続く次回作の構想があり、そのテーマは「阿波踊り」に代表される日本の祭りや民謡のリズムだという。 岐阜県を代表する全国的に名の知れた祭り「郡上の徹夜踊り」を自ら体験することで、ある種のインスピレーションを得ようという のがこの来日の主目的というわけだ。もちろん、踊りだけ見て帰国・・・なんてつれないことは絶対にしないのが俊三さん。 お盆前後にガッチリとライブスケジュールが組まれている。 今回のツアーは7daysで、そのうち6daysが岐阜県内。まさに俊三さん地元囲い込み作戦!
ピアニスト コール
さてライブのメンバーは・・・。猿渡さん、北川さんのリズムユニットは永久に不動。 いつも人選に困るのがピアニストということになる。今回は猿渡さんが本人に選んでもらったようだ。 俊三さんがコールしたのは、昨年初共演した大阪の竹下さん。 これでメンツも決まり、あとは来日を待つのみ。今年は、昨年の苦い経験(予約殺到でお断りにおおわらわ)を踏まえてか BAGUは2dayとなった。これでファンの受け入れ体制もバッチリだ。

first set

1.maya
2.花
3.i hear a rhapsody
4.かあさんの歌
5.now's the time
竹下さん
北川さん

second set

1.stella by starlight
2.りんご追分
3.alone together
4.old folks (an encore)

みんな同窓生でイイじゃな〜い
俊三さんの第一声。

   「みなさん、同窓会へようこそ!」

そして始まったお馴染みのオープニングテーマ。 いきなりのタイトな演奏に、店内がキュッと引き締まる。あー、今年もこの音が帰ってきた〜。 普段のスペシャルライブとはまったく違った意味をもつ大野俊三ライブ。 ある意味、過去のライブでこのラッパにハマった人は、皆残らず同窓生だともいえるかも(強引か・・)。 続く1−2は、「日本の詩情」から。桜舞い散る情景を竹下さんのピアノが実に耽美的に表現する。 はかなくも美しい、そして悲しい花物語。ストーリー性に富む音世界はまさに俊三ワールドの真骨頂!

日米詩情合戦
猿渡さんの絶品ブラシとデュオで奏でるスタンダード1−3もまたよし。 穏やかにソロを引き継いだ竹下さんが徐々にボリュームを上げていき気がつくと火がでるような演奏になっている。 さらに気がつくと1−4になっていた。このあたりはこのバンドのお家芸だ(笑)。 交互に襲い来る「日本の詩情」と「アメリカの詩情」。チェイサーかと思われた1−5も、しっかり曲として全力で演奏された。 チェイサー不要、スタートからエンドまで内容のあるプレイあるのみ!
俊三マジック
2セット目もなかなか耳が離せない4曲。2−2は、次回作の予告編である。 北さんのベースは民謡調。猿渡さんのタムは和太鼓のごときリズムを刻み、俊三さんはジャズを奏でる。 リラックス感とともに懐かしくも新しい「何か」を感じさせてくれるアプローチだ。 全員が4ビートに戻りラストナンバー2−3を演奏。俊三バンドでは、毎回猿渡さん、北川さんともかなりの緊張感を持って望んでいる。 そして、その持てる力を何故か120%出し切ることが出来るのだ。僕は勝手に「俊三マジック」と呼んでいる。 弾ける竹下さんのピアノ。ここにも俊三さんの魔法がかかっていたのだろうか。 一度、このバンド以外で竹下さんを聴いてみたいと思ったのは僕だけではあるまい。
まだまだ1/3
アンコールは誰もが求めていた2−4。マヤで始まってオールドフォークスで締める。これがここ数年の黄金パターンなのだ。 余韻にどっぷり浸りながら今年も束の間の夏の夜が終わろうとしていた。 しかし、これからが本当の同窓会の始まりだったりする。朗らかに再開を喜び合う県岐商のOBの面々。そしてファンの方々。 さらには、打ち上げで熱く語り合う俊三さんと竹下さんの姿もあった。さあツアーはまだなかば、異例の月曜日ライブという こともあり僕はお先に失礼させていただいた。あと2ライブ、万全の体調で楽しむために・・・。
猿渡さん 俊三さん


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