地震、雷、火事・・・おやぢ

白井淳夫カルテット
白井淳夫(as) 西川麻子(p) 北川弘幸(b) 猿渡泰幸(ds)

地震
19:03、そろそろ家を出ようかという時間。ドンっという地響きとともにグラグラッときた! 愛知西部を震源とするこの地震、揺れの時間はごく短かったが岐阜地方では震度4が観測され、体感的にはかなり大きなものだった。 昨年から新潟、スマトラ沖と甚大な被害が続いており、巷でも「必ず来る東海地震!」などという警鐘を兼ねた扇情的な 文字が踊るようになった。そんな折りも折りの大揺れに、普段から慌て者の僕は案の定着の身着のままで玄関のドアにまっしぐら・・・。 これじゃたとえ防災袋を準備していても何の意味もなさないな〜(反省)。一人避難訓練をしておいたほうがよさそうだ。
おやぢ
そんなわけで過剰にアドレナリンを分泌してしまった臨戦態勢の体を沈静化するべくBAGUへ。 猿渡さんはスペシャルライブが近づくと「是非ライブ来てね!」と色んな人に声をかけ来店を呼びかけるわけだが、 ごく稀に「絶対に聴いといたほうがエエぞ!」という誘い方をする場合がある。 勧誘の対象は地元アマミュージシャン。そこには「本物中の本物」を聴かせて刺激を与えたいという狙いがあるようだ。 白井さんはそんな「ミュージシャンズ・ミュージシャン」のお一人。そして、BAGUの常連さんともツーカーのお馴染みジャズメンでもある。 地元福井ではシライハウスというジャズクラブを経営するかたわら、自らのバンドを率いて後進の育成に力を注ぐ厳しいジャズ師範でもある。 岐阜にも猿渡泰幸という名師範がいる。ただしニックネームに若干の差が・・・。 猿渡さんが自称「柳ヶ瀬のプリンス」であるのに対して、白井さんは自称「シライハウスのおやぢ」らしい(笑)。
福井県人会
因みに今夜のメンバーは、猿渡さん以外全て福井県出身者。名古屋で活躍するピアノの西川麻子さんも福井時代は白井さんのバンドで弾いていたという。 彼女も白井道場でみっちりもまれた口であろう。そんな万事心得たファミリー的なメンバーだけに、素晴らしくリラックスした演奏会となった。 今年で還暦を迎えようとしている白井さんだが、その「音」にかげりは全く見られない。むしろ聴くたびにパワーアップしている感じ。 白井ライブのオープニング第一音が轟くその瞬間、僕はステージの白井さんの姿ではなく、白井淳夫初体験というお客様の「表情」を見ている。 必ず驚きの色が走るのだ。そして、しめしめこれでまた白井教の信者が増えた・・・と確信するわけである(笑)。 思えば3年前の僕がそうだった。
温故知新
「相変わらずお古いところでご機嫌をうかがいます」これは、BAGUボードにお年賀カキコをしてくれた白井さんの言葉。 どんな時代のナンバーが演奏されたかは、下のセットリストを見ていただければ一目瞭然。 ジャズファンなら誰でも知っているおいしい料理がズラリと並ぶ。 一曲一曲精魂こめてブローするゾクゾクするような魂のアルト。音よ〜し!リズムよ〜し!ソロよ〜し!アンサンブルよ〜し! 指差し確認をしてもどこにも危険は潜んでいない。どのナンバーも安心して「発車オ〜ラ〜イ!」となる。
火事 → 舵
それは壮大な計画だった。2−2、2−5を見てニヤッとほくそえんだ人はかなりのビッグバンドファン。 どちらもベイシーバンドの人気ナンバーである。数々の有名バンドを渡り歩き、ビッグバンドの真髄が沁み込んでいる白井さんならではの選曲。 そのベイシーサウンドをワンホーンで再現しようというのが今宵のメインイベントだ! 楽団を引っ張るベイシー翁を務めるのはもちろん白井淳夫その人だ。サックスのソリなどはまさにベイシーのそれそのもの! たった4人で見事に「あの雰囲気」を出す。超スモールオーケストラを率いた白井さんの見事な舵取りだった。
さて、打ち上げでは例によって例の如く福井の名産「小鯛のささ漬」が人気の中心。白井さんのお土産である。 これが酒の肴にビ〜ッタリ!必然的に酒が進み、白井さんもだんだん饒舌になってきた。 ここぞとばかりに福井のジャズ事情や、古いバンドの話など面白い逸話を聞かせてもらった。 ビッグバンド好きな僕にとっては、かなり幸せなひと時。 全盛期のニューハードがいかに突出したバンドだったか・・・白井さんを見ているといつもそんな事を考えてしまう。 かなうことならタイムマシンで聴きに行きたいくらいだ。今宵の家族的な宴会のなかで当然の如く猿渡さんも絶好調! 宴会は閉店まで続いてお開きとなった。あとは、地震でもないのにフラフラ揺れていた泥酔状態のプリンスにママの カミナリが落ちていないことを切に祈るのみだ(笑)。

1st set

1.just friend
  (1931 john klenner)
2.stolen moments
  (1961 oliver nelson)
3.i'll remember april
  (1941 gene depaul,pat johnston)
4.everything happens to me
  (1941 matt dennis)
5.satin doll
  (1953 duke ellington)

2nd set

1.stella by starlight
  (1944 victor young)
2.cute
  (1958 neal hefti)
3.blue bossa
  (1963 kenny dorham)
4.laura
  (1945 david raksin)
5.shiny stocking
  (1956 frank foster)
6.shirai's blues
  (???? atuo shirai)
7.all the things you are (an encore)
  (1939 jerome kern)
西川さん&北川さん 西川さん
白井さん


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