中山静雄とビッグ4

中山静雄 猿渡泰幸
市の瀬美音 萌紅

今日は本降りの冷たい雨のなか、まずは鶴舞線の植田に向かった。 ここには友人のコーヒーショップ「オリコーヒー」がある。まずは熱いコーヒーを1杯飲んで体を温めた。 20分くらいマスターのオリさんとおしゃべりをして、いざサニーサイドへ。地下鉄を1区だけ乗って原に到着後、頭に叩き込んであったホームページの地図を 思い浮かべながら歩くが、夜ということもありなかなか辿り着けない。雨のなかどんどん周りが寂しくなっていきちょっと不安になってきた。駅から20分近く 歩いたところでやっとサニーサイド発見。店内に入ったとたん、スポットに照らされたステージが目に飛び込んできた。 客席は真っ暗でよくわからなかったが、だんだん目が慣れてきて店の全貌が明らかになっていく。広い客席は余裕たっぷり、ステージは1段高くなっていてこれがまた ビッグバンドでもOKなくらい広く、照明・PAなどの機材も充実している。客席の後ろにバーカウンターもあり、ちょっとした小ホール兼バーといった感じ。 名古屋のはずれにひっそりとこんな空間があったのだ。そして座る席を決めるべく客席観察を続行。パッと見たところほぼ満席だ。 すると暗い客席の向こうでボーヤのクマちゃんが手を振ってるのが見えた。結局いつものようにドラムの目の前に陣取ることとなった。 この店のイイところはまだある。料金システムが素晴らしい。ライブチャージ+¥1500で生ビール飲み放題となるのだ。 僕らビール党にするとこれはうれしい限りだ。おつまみは枝豆、チョコ、ピーナッツ、あられといったところが食べ放題となる。 料理を別途注文するとしても1品オール¥500と良心的だ。ビールはサーバーから自分で注ぐセルフサービス。 しかしテクニックなど一切不要。ボタンひとつで見事な生中が出来上る。一度お試しあれ!

ビッグ3 やっとステージに集中できる体制が整ったところでいつもと違う点に気付いた。衣装である。みんな純白のスーツに黒の蝶ネクタイでビシッと決めて いるではないか!カッコイイ!こんな光景をどこかで見たことがある・・・。僕の頭の中に浮かんできたイメージは戦後日本ジャズの黎明期、圧倒的な人気を 誇っていた「ジョージ川口とビッグ4」だ。中村八大は中山さん、小野満は市の瀬さん、ジョージ川口はマスター、今日はホーンがいないので松本英彦は 萌紅さんということにしておこう。時代を超えて名古屋で蘇った「ビッグ4」。確かに中山さんのこのトリオは、古き良き時代のミュージシャンシップを堅持する 最後の世代である。この思い切り伊達な衣装でハードバップを弾きまくる姿は、モダンジャズの良き時代を彷彿とさせてくれる。 メグさんがステージに上がりお得意の「's wonderful」で1セット目の歌がスタートした。いつものようにベタなギャグで客席の心をつかみつつ 「imagine」「new york state of mind」をじっくりと熱唱。そしてちょっとしたサービスが用意されていた。客席のお客さんで本日誕生日を迎える「めぐみさん」 という女性がいて、4曲目は彼女のために「happy birthday to you」がプレゼントされた。若い女性なのでスポットをあてられて照れる姿が店内の雰囲気にマッチして 盛り上がる。「what a difference of day made」で1セット目は終了した。そでに降りてきたメグさんに挨拶すると「エー!駅から歩いて来たのー、ウッソー」と 驚かれてしまった。僕にとっては徒歩20分や30分は何でもないことなのだが・・・・。休憩時間もボーッとしてはいられない。せっせとビールサーバー に通って飲み放題のもとをとる。

メグさん 2セット目は、中山トリオの真骨頂である「ハードバップ」で始まった。1曲目はホレス・シルバーの「filthy mcnasty」、2曲目は同じくシルバーの「doodlin'」。 ビタっとキメを合わせてくる演奏で客席はおおいに盛り上がる。3曲目からメグさんが入ってまずは「you'd be so nice to come home to」。この曲、なぜ日本でこんなに 人気があるのだろう。メグさんも「日本で最も良く知られているスタンダード」と紹介していた。お次は3日前のバグでも大いに盛りあがった「mercy,mercy,mercy」。 バックが変われば当然雰囲気も変わる。この日の中山さんのピアノも良かった。そしてクールダウンに準備されたのは「stardust」だった。 これまた日本では超人気スタンダード。この人気は、メグさんも言っていたが「シャボン玉ホリデー」のエンディングに使われたことに端を発する。あのギターは実に良かった。 最後はエスティマのCMでお馴染み、キングコールの「l-o-v-e」で本日最高の盛り上がりを見せた。と思いきや・・・、さらにテンションは上がりアンコールの「root66」で 場内は絶頂に達する。2セット目も僕のサーバー通いは続き、もう十分もとは引いている。今日は中山さん、メグさんのお知り合いが多いようでジョッキ片手に忙しげにテーブルを 回っている。中山トリオはステージが終ってからが長丁場となる、そして楽しい。ミュージシャン席に戻ってきた中山さんが「今日の打上げの場所が決まったぞ!」と皆に告げた。 中山さんのお客さんが知ってるお店になだれ込むようだ。どうやらこの近所らしい。 そこでの狂宴については「異例」の別ページで紹介することにいたしましょう。

戻る