黄色いオルフェ

岩見3+YAYOI

岩見さん&北さん BAGUに続いて今日も懲りずにスターアイズである。職場から直行したが、到着時はすでに1セット目が始まっていた。 岩見さんのジャズは渋い大人の音である。慌てず騒がずしっとりと、ソロでトリオで歌伴で、アンサンブルを信条に、エレキとガットの両刀使い、 類まれなるスウィング感で、僕の心をとろけさす、壁に耳あり障子に目あり、横断歩道は手を上げて、・・・アレッ?途中でおかしくなった。 とにかく「地味だけど凄い」岩見さんのスタイルは僕のテイストにビターッとはまってしまったわけである。 今晩も「とろける」ことができるだろうか。店内には軽快なカリプソナンバーが響いている。一日の疲れを癒すには絶好のサウンドだ。 まずは生ビールを楽しみながら、ラテンのリズムに合わせて体を揺すっていたら、「ウィークエンド」の至福感が沸々と湧き上がってきた。 そう今日は金曜、明日はお休みである。トリオ演奏はそこまでで、ほどなくYAYOIさんが現れた。 「fly me to the moon」でご夫婦の共演スタート。デュオでワンコーラス、しっとりと聴かせてくれた。 テンポ、キメ、音、すべてびったりマッチ、二人にしか描けない世界である。 あんなに歌うギターで対話してくれたらヴォーカリストとしては本望であろう。 デュオの最後「in other words 〜」と歌いながらくるりと岩見さんの方を向いて「i love you 〜」とささやいて締めた。 くー、やってくれるねーこの夫婦。いいなー、実にいい。2コーラス目は、リズムがボサノバに切り替わりマスター、北さんが夫婦の間に割って入った。 「day by day」はBAGUでもやってくれたスタンダードで、この日は途中ベイシーの「shinny stockings」が飛び出すなどノリノリのギターだ。 そしてもうこの2人の真骨頂といってもいいボサノバナンバーからボンファの「gentle rain」をチョイス。 お宝ガットギターは今日も健在であった。雨が主役の季節にはまだ少々早いが、目を閉じると雨の景色が浮かんできた。 優しいギターから降り注ぐ音の雨に心が洗われる・・・。 ラストは「you'd be so nice to come home to」でスターアイズのデビューセットを締めくくる。 金曜日ということもあるが、今晩の客の入りは凄いものがあった。ほぼ満席で、ミュージシャン席も埋ってしまっている。

マスター 2セット目は、「危険な関係のブルース」でお馴染み、デューク・ジョーダンの「no problem」で幕を開けた。 2曲目は「polka dots and moonbeams」、偶然か意図的か今日の岩見さんのネクタイも水玉っぽい柄である。 この曲では長めのオクターブソロがGOODだった。確かBAGUでは披露しなかったはず、ラッキーだ。 そして今日はBAGUとは音も少々違って感じた。ステージとの距離や店の広さもあろうが、BAGUよりまろやかというかなめらかというか とにかく違っていたのは確かだ。次曲は「cute」だが、またまた岩見さんの褒め殺しMCが始まった。 まずは北川さんから。「この辺(名古屋)では北川さんのベースはほぼ独占企業みたいなものです。 この人がいれば東京から超一流のベースが来る必要は全くありません」言うも言ったり。でもその通りですよ。 さて次ぎはマスターの番である。「僕が弾き易いってことはバックが相当巧いってことなんです。猿渡さんのタイコはとても弾きやすい」 「ギタリスト殺すにゃ、刃物は要らぬ。ドシャーンひとつで即死する」と言って笑う岩見さん。けだし名言である。 因みに「ドシャーン」というのは「やかましいタイコ」のこと。 そう、刃物は要らないのだがマスターはあえて刃物を抜いた。といっても伝家の「宝刀」ブラシのことである。 マスターはブラシでこのジャズ界を渡世しているといっても過言ではない。軽い拍手の直後に演奏が始まる。 相変わらず素晴らしい「cute」で言うこと無し。また聴けてよかった。 また聴けてよかったといえば・・・お次は先日僕に液状化現象を起こさせ、とろとろに融けさせてくれた「manha de carnaval」。 勿論今晩も融けました。当然です。曲の終わりかけに岩見さんが勢いよくフルアコに持ち替えてリズムが激しいサンバになった。 「何だ、何だ」と半分融けた体(怖い〜)で面くらっていると、何とまあ「samba de orfeu」に移行した。かろうじて融け残っていた 体はもはや液体になる間もなく即座に昇華されて炭素分子として店内を浮遊しだした。サンバのステップを踏みながらである。 なんか変な表現をしてしまったが、この展開にはそれほど感極まったということ。ここからYAYOIさんが2度目のステージへ。 ポーターの「i've got you under my skin」を甘くソフトに。お次は「old devil moon」とスタンダードが続く。 「for all we know」では、またまたイイ感じでギターと歌が対話する。まさに一緒に歌っているという表現がぴったり。 YAYOIさん、この手のバラードは素晴らしい。「lover come back to me」でメリハリをつけて、再びブラジルへ。 ジョビンの「felicidade」。実はこれは僕のリクエストだ。やっときたか。勿論岩見さんはガットに持ち替え。 今日は偶然にも「manha de carnaval」「samba do orfeu」そして「felicidade」と映画「黒いオルフェ」の挿入歌のうち ジャズでよく演奏されるベスト3がすべて演じられた。ブラジルと日本はどこか心の深い部分でつながっているという岩見さんの ギターで演じられる世界は、言うなれば「yellow orfeu」といったところか・・・。 BAGUでのアンコール曲「root 66」でこの日の演奏は終了。アンコールはYAYOIさんのフェーバリットソング 「what a wonderful world」だった。マスターと北川さんは完全に下がり純粋なデュオである。恐らく外で瞬いている であろう「キラキラ星」の一節を引用して静かに音がやんだ。今日は、名古屋在住の岩見さんのジャズ研時代のお友達も かけつけておりYAYOIさんも交えて旧友3名が再会するというシーンもあった。右下がその時の写真である。 明日からは故郷和歌山を含む8daysが待っている岩見ご夫妻。また次回、岐阜・名古屋で聴ける日を夢見て待つことにしよう。

メンバー近影 法政ジャズ研3人衆+1
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