予習復習は欠かさずに・・・

松島さん&岡さん

待ちに待った日というのは以外にあっさりやってくるものだ。この日もそうだった。 猿渡さんにとっては川島さん以来、久々の江戸の「管」との共演。 そして、この日のサックス岡さんは岐阜を代表するジャズファン「岐阜のおっちゃん」が最も心酔するジャズメンでもある。 頻繁に東京まで足を運んで岡さんを追っかけているおっちゃんにとっても、地元岐阜のジャズメンがバックを勤めるステージで 岡さんを聴けるとなるとまた違った感慨があるはずだ。因みに、猿渡さん、北川さん、後藤さんとも岡さんとは初共演となる。 一方、松島さんは1998年にBAGUでも演奏しており、既にメンバーとは旧知の仲。実は岐阜は現在トランペッターが不足しており、 BAGUでもなかなか聴くことができない。そんなラッパ欠乏症の僕にとって今日は絶好の「食い溜め」チャーンス。 あわよくばタッパに入れて持ち帰ろうかというくらいの気持ちである。さて、今や押しも押されもせぬ人気、実力ともに兼ね備えた 「夢の2管」と「地元人気トリオ」とのカルテットはどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。 猿渡さんはスケジュールが決まったときから、腱鞘炎を気にしつつもかなり気合を入れていた。

予習せよ!
岐阜のおっちゃんには事ある度に岡さんの話を伺っている。もう岡さんの話なら一晩でも二晩でもOK!というくらいその語り口は熱い。 そんなおっちゃんから、この2DAYSに向けて「予習しておくように!」という厳命とともに2枚のMDを渡された。 もちろん「松島&岡」の2管が聴けるものである。もともと管アンサンブルには目のない僕にとって、この「予習教材」はそれだけで 満腹感を味わえるような内容であった。それがナマで聴けるとなると・・・考えただけでも顔がニヤケてしまう。おっちゃん、いつも ありがとう。

ドキドキ、ワクワク の音待ち ・・・ 予習の成果は
てんで勝手にリラックスしていた5人がいよいよステージへ。緊張のオープニングナンバー(緊張していたのは僕の方です)は 松島さんと岡さんがテーマを吹いた後、各人の長いソロに突入する。まずは淀みなく溢れ出るフレーズの雨を浴びつつ、久々のラッパにうっとりと陶酔。 さらに眉間にしわを寄せてゴリゴリ吹きまくる岡さんに乗せられてタンブラーを持つ手にも力が入る。 地元トリオもいつもと違う輝きを放っており上々のオープニングとなった。そして早速「予習」の成果が出たのが続く2.だ。 岡さんのオリジナルでとても綺麗なアンサンブルを響かせるこの曲は、僕の琴線を激しく揺さぶる。 実は先の「予習教材」のひとつ「funky all」に収録されていてすでにチェック済みであったのだ。 おっちゃんのヤマが見事当たったというわけ。おかげで僕は倍、いや10倍は楽しめた。 この秀逸なハードバップ曲からもわかる通り、岡さんはコンポーザーとしてもただ者ではない。

ガンバレ!後藤浩二トリオ!
3.は岡さんのテナーの音とスタイルを誇示するには持ってこいのスタンダード。曲が紹介されたと同時に頭に浮かんだイメージがそのまま「追っかけ再生」された ようなまったく期待を裏切らない演奏だった。ここで松島さんは素晴らしいミュートソロを披露。目深にかぶったトレードマークのキャップのため、表情は読み取れないが ラッパの表情はいたって豊かで艶っぽい。そして何といってもカッコイイ。4.はCMに使われて一躍メジャーナンバーとなったシルバーの曲。 こうして2管のアンサンブルで聴くのは1年ぶりくらいだ。松島さんの熱いソロでグングン盛り上がっていく。猿渡さんは抑制の効いたタイコで内燃しており、 メンツを意識したのかいつもとはちょっと違った感じの叩きっぷりであった。最近はもはや全国区の活躍を見せている北川さんは、いつも通り堅いベースワークでこのクインテット の屋台骨をささえる一方、ソロはいたってソウルフルかつメロディアス。今最も乗ってるピアニスト後藤さんもこの「江戸のフロント陣」を前にして全く遜色ない好演で、余裕さえ感じられる。 この人はホントに聴くたびに良くなっているようでちょっとコワい。


first set
1.what is this thing called love
2.only one
3.darn that dream
4.song for my father
北川さん
猿渡さん second set
1.social call
2.sail away
3.skylark
4.oleo
5.autumn leaves (an encore)

2days 最終セット
ジジ・グライスの1.で始まった最終セット。これまたイイ感じのアンサンブルに心が和む。 何というかとっても暖かい感じがしたのだ。ぽかぽかと体が温まるような音だ。松島さんのラッパの口から温風が出ているような そんなウォームな演奏だった。すっかり秋も深まってそろそろコートいるかな、なんて季節に春の気分を味わってしまった。 この季節外れ春一番は次のトム・ハレルの曲でも途切れない。岡さんはフルートに持ち替えて、松島さんのミュートラッパに絶妙のバランスで 絡んでゆく。今回のスターアイズは松島さんが先に決まっていて、岩城マスターが「誰か連れてきて」と 打診したところ「岡さんと一緒に行きます」ということになったそうである。それにしてもイイ2管である。 夢に出てきそうだ。えっ、どんな夢かって?もちろん「ニカ(ン)ズ・ドリーム」に決まってる(失礼しました)。

さて、3.でもまだぽかぽか陽気は続く。後藤さんの相変わらず綺麗なピアノも良かったが、松島さんのカデンツァが 惚れ惚れするくらい味があって絶品であった。 一転してアップテンポの4.は、ぽかぽか陽気も影をひそめて嵐のような激しい演奏となる。各人全力のソロを展開し、 実に胸のすく演奏のなかにあって、もっとも自らをアピールしたのが岡さん。途中えんえん続くカデンツァに思わずイエー! これに大いに刺激されて後続のプレーヤーもアクセル全開のパフォーマンスを繰り広げる。特にこの時の松島さんには絶対ブラウニーが 乗り移っていた・・・と僕は確信している。 素晴らしき松島&岡クインテット。 猿渡さんにとっても大いに刺激的な2日であったに違いない。今日は名古屋の悪代官をちょとお休みして、真剣勝負のプリンスになっていた(笑)。

復習は?
復習は家に帰ってからするとして、今はとりあえずジャズメンとの接触が先決。松島さんも岡さんも気さくで面白い人たちだ。 特に岡さんは、僕と同学年で、過去には同業者(?)だった時代もあると聞いて一気に親近感が湧いてしまった。 おまけにホームページを御自分で運営されているとのこと。ジャズメンでは珍しい。ひょっとしたら松島さんのようにBAGUにも来てくれるかもしれない。 その時のために猿渡さんがとっておきの岐阜弁をいくつか岡さんに教えていた。それも隣県(愛知県)出身の僕でもわからないような生粋の岐阜弁を・・・。 そうだ!復習は岡さんがBAGUに来た時にすることにしよう。ということは当然また松島さんと連れ立って来てもらわなければなるまい。 岐阜のおっちゃんが「8000人集める!」と豪語していたBAGUライブ、果たして実現するのはいつか?乞うご期待

後藤さん 松島さん&岡さん
岡さん 松島さん
松島さん&後藤さん 岡さん&北川さん&猿渡さん
記念撮影

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