マリさんと高貴な仲間たち?

中本マリ

クリスマスの過ごし方
世に幾千とあるであろう12/25の迎え方。 今年のクリスマスは猿渡さんの出演するスターアイズ・ライブに照準を合わせてみた。 何の変哲もない「1/365」であるよりは、何かイベント事を入れた方がいいに決まってる。 僕にとってこのライブは「趣味と聖夜」を兼ねた贅沢な1品となった。 おかげでクリスマスを待ち焦がれる子供のような気持ちでその日を迎えることができたことに、感謝しなければなるまい。

マリさん、ガンバレー!
ミュージシャン控えテーブルの真横が偶然空いており、まずはそこに落着いた。 さらにマリさんに気さくに声を掛けていただき、もう大感激!BAGUで歌った時のことを憶えていてくれたのだ。 これは僕がもらった最初のプレゼント。その時、マリさんが風邪で体調を崩されていて熱もあるということを聞く。 長い長い歌手生活の中で決して稀な出来事ではないだろうし、マリさんクラスになると経験から「体調不良時のやり方」みたいなものが しっかり身に付いているであろうから、ライブの出来自体はまったく心配していなかった。 むしろ、こういう時こそいわゆる「プロ魂」が見られるというもの。マリさんは風邪で体調がすぐれないことを一番最初のMCで サラリと告白し、

 「でも、ガンバルからみんなも盛り上がっていこうねー!」

と気合を入れた。そして今日はバックに最強のトリオが控えている。心配御無用!!!

陛下と殿下
本日のベースは岡田勉さん(通称ベンさん)、様々なシーンで活躍するベース界の重鎮。 マリさんも絶大の信頼をおくミュージシャン仲間の一人である。 因みに、猿渡さんは初共演。ベンさんは何と12月23日がバースデー、つまり「天皇誕生日」である。

  「だから今年いっぱいは『陛下』と呼んであげて」

というマリさん。一方、猿渡さんの「泰幸」は音読みすると「たいこう」。そこから「太閤殿下」と呼ばれることとなった。 もちろんニックネーム付けの名人マリさんの命名である。ここに「陛下と殿下」の名コンビ誕生。結局、最後までこの名前で通した(笑)。


first set

1.i love you (trio)
2.シェルブールの雨傘 (trio) request
3.i could write a book
4.you'd be so nice to come home to
5.the christmas song
6.please send me someone to love
7.on green dolphin street
岡田勉さん
ベース界の天皇陛下!
猿渡さん
司会進行は泰幸(たいこう)殿下!

second set

1.straight no chaser (trio)
2.just friends
3.i wanna be around
4.have yourself a merry little christmas
5.my favorite things
6.how long has this been going on
7.all of me
8.nearness of you (an encore)

風邪よ何処へ・・・
ところでマリさんの風邪は一体どこへ行ってしまったのだろう。1-4.あたりではもう全開で熱唱している。 まったく体調不良を感じさせないその歌いっぷり。ふとミュージシャン控えテーブルを見るとそこに「風邪」が転がっているではないか。 なーんだ、着脱可能の「風邪」だったんですね。演奏中は外しておくということか、どうりで・・・(んなバカな!)。 1-6.などは、そんな冗談が真実味を帯びてしまうくらいの声量でノリノリの素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。 とても午後の2時までまったく声がでなかったとは思えない。さすがである。

クリスマスソング、沁みた〜
クリスマス・ライブというやつは、何も全てクリスマスソングで埋め尽くすわけじゃない。 お得意のスタンダードの間に絶妙のタイミングで挿入されるわけだ。その「間」がまた素晴らしい。 1-5.はキャンドルを手にその炎を見つめながらしっとりと、2-4.は後藤さんのリリカルなピアノをバックに熱唱。 頭の芯まで沁み込んでくるようなマリさんの歌、後藤さんのピアノ。そして客席一体となって「merry christmas」と連呼するなか、 ベンさんの素晴らしいベースソロが店内をクリスマスムード一色に染め上げる。そこに猿渡さんのブラシが絡みもう降参。 家でくすぶってなくてよかったー、と感じた瞬間だ。

悪代官と越後屋
ベンさんは、演奏中も酒を放さない。しかしそのベースワークはまったく乱れることはない。 むしろ飲むほどに味がでてくる感じ。後藤さんもベンさんと共演する時だけは、ワイン片手にピアノを弾く。 これまた珍しい光景だ。 ベンさんからは、昔気質のミュージシャンの匂いがムンムン漂っていて、一見ちょっとおっかない感じがする。 しかし演奏終了後の打上げで、その印象は一変した。初共演の「陛下と殿下」はこの席で完璧に意気投合! 強烈な個性を持つこのお二人、酒が進むにつれて「陛下と殿下」の高貴な皮を脱ぎ捨て、素のジャズメンに戻っていった。 本邦ジャズ界のビッグネームの裏話を面白おかしく話しながら、いつまでも笑い続ける2人の様子は、さしづめ「悪代官と越後屋」といったところか。 本当に最後まで楽しませていただいた。

こんなクリスマスも悪くない。新たなクリスマスの楽しみ方を発見したような、そんな日になった。 何故もっと早く気づかなかったんだろう。最後にスターアイズからプレゼントされたショートケーキ、これがまた美味であったこと をつけ加えておこう。来年もケーキ食べにこようかな・・・。

マリさん
キャンドルかざしてクリスマス・ソング
マリさん&後藤さん
初共演!マリさん&後藤さん
記念撮影
皆さんイイ顔してますねー
クリスマスケーキ
美味い!スターアイズケーキ

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