ギター小僧 必見ライブ!

岩見淳三

インプロ・ホーム
大垣ソフトピア周辺の景観は一種異様である。 広大な田畑の中に突然現れる巨大なインテリジェンスタワー、そして斬新な設計のビル群、 夜ともなれば七色の照明に彩られ、まるで未来都市のような異彩を放つ。 道路は綺麗に整備されているもののまわりに店舗らしきものは少なく、 唯一三軒長屋のような佇まいのお店が3つ並んでいるのみ。 その3軒長屋の真ん中がバー「雅屋(GAJA)」である。 ここはBAGUのレギュラーギタリスト由川さんが主宰する大垣のジャズサークル 「インプロヴァイズ」のいわばホームグラウンド。 長渕剛にソックリのマスターも、自らギターとラッパを演奏するアマミュージシャンで、 インプロの定期ライブにスペースを提供するようになってかれこれ5年が経つという。
由川プロジェクト
今回のライブはインプロ総帥の由川さんが企画したもの。招かれるのは同楽器の岩見淳三さん、そして奥様でヴォーカリストのYAYOIさん。 昨年来、僕がすっかりはまってしまっている「気持よすぎるギタリスト」がまたここ岐阜に帰ってきてくれた。 なにはともあれ、首謀者(?)の由川さんに感謝!そして今日は由川さんの号令のもとインプロ精鋭メンバーも勢揃い。特にギタリストの多いこと多いこと。 中井さん、バンノさんなどは岩見さんの目の前で「さあ来い!ワンフレーズたりとも見逃さないぞ!」と言わんばかりの勢いで演奏を待っている。
今年の風邪は危険です
今日は、北川さんが風邪をこじらせてしまったらしく、かなり辛そうな状態。実のところ僕も人並みに風邪を患い体調絶不調状態だったが、 風邪如きでこのトリオを見逃すわけにはいかない。 病んでいる時というのは、酒やタバコなどの嗜好品の味が一変するものだ。 その「味」の変化で体調の善し悪しを判断できてしまうこともある。 思ったように酒が進まない今日、果たして「音の味」にも影響が及ぶのであろうか…。
ファーストタッチ
楽器と体が最初に触れて、僕らに第1音が届く瞬間。このファーストタッチを大切にするという岩見さん。 今日も、柔らかーな優しい音が渦を巻いて耳に飛び込んできた。さんざん味わっている北川さん、猿渡さんの ファーストタッチも普段通りの輝きをもって迫ってくる。 どうやら超強力な今年の風邪も「耳」を侵すまでには至らなかったようでひと安心。 ジムホール&ポールデズモンドの好演が残る2.はスローなラテンタッチで、何ともいえない哀感がひしひしと 伝わってくる。落着いた2曲を経て、いよいよビートもの。3.は強烈にスウィングするギターが 自在に躍る痛快なナンバーである。岩見さんも立ち上がって体を左右に揺すりながらの熱演。 北川さんのベースも猿渡さんのタイコも最高にスウィングしていた。4.は歌物の王様。 文字通り歌ってなんぼの曲だ。もちろん3人とも、各々の楽器をそれは見事に歌わせている。 北さんのベースソロなどもう涙でるかと思うくらい素晴らしい。息もぴったりの3声合唱団にあえなくノックダウン。
おねだり
さて、5.でYAYOIさん登場。ボサのリズムにのってサラリと小粋に御挨拶。 ちょっと暗めのステージから声だけが届く(笑)。7.は本日初のご夫婦デュオ。 しかもお二人ともPA無しの生音でパフォーマンス。 YAYOIさんは客席深くまで分け入ってきて各テーブルにダイレクトに囁きかける。 この曲は僕のリクエストなのだ。何を隠そうこの日は僕のバースデーで、自ら強引に歌のプレゼントを 頂くべく、前もっておねだりしておいたというわけ。 前作「アコースティック・デュオ」に収録されているこのビートルズナンバーが大のお気に入りでどうしても生で聴いてみたかったのだ。 改めてありがとうございました。


1st set
1.it could happen to you (trio)
2.samba cantina (trio)
3.will you still be mine (trio)
4.my one and only love (trio)
5.day by day
6.you'd be so nuce to come home to
7.michelle (duo)
8.our love is here to stay
猿渡泰幸
北川弘幸 2nd set
1.minina mossa (trio)
2.in a sentimental mood (trio)
3.all night long (trio)
4.love for sale
5.cry me a river
6.love (duo)
7.lover come back to me
8.what a wonderful world
9.root 66 (an encore)
10.ringo oiwake (duo) (an encore)
総帥リクエスト
「the gift」にウリふたつの1.で2セット目スタート。このラテンものでは、ギターフレーズを ユニゾンで歌い出すほど岩見さんはノっていた。初めて聴いた岩見さんの歌声(笑)。 高音部でなぞる時のファルセットなど結構味があってカッコイイ!さて、ここでこんなMC。

  「次はバラードやりますけど、何かリクエストありませんか?」

このMCに敏感に反応したのが、インプロ総帥の由川さん。

  「じゃあ、in a sentimental mood お願いします」

実はこの曲、由川さんもお得意のレパートリーで、曲へのあくなき探究心から発せられたリクエストだったのだ。 1音1音選ぶように丁寧に歌い上げていく岩見さん。まさに、客席のギタリストたちに向けた素晴らしいメッセージだった。 3.は岩見さんの敬愛するケニーバレルのブルース。お得意のナンバーで、昨年のBAGUでも一晩中続くんじゃないかと 思わせるほどの熱演だった。今日も、猿渡さんのハンド・ソロをバックに岩見さん、北川さんともに絶品ソロを披露。 「イエー!」、まさに声をかけずにはいられない!

ヴォーカリスト到着
今日のYAYOIさんは、最前列で岩見さんのプレイに釘付けとなっているアマ・ギタリストたちにちょっぴり嫉妬。

  「もー、おにいさんたち!ちょっとは私のほうも見てよ!」

なんていうジョークも飛び出すくらい(笑)。しかし2セット目でやっとインプロのヴォーカリストが到着した。 Kancoちゃんである。これで、バランスがとれてきた(かな?)。

アコースティック・ブルー
このあたりから、ニューアルバム『acoustic blue』の広報活動に入る。 このツアーは発売記念ツアーでもあるのだ。4.〜6.はいずれも収録ナンバー。デュオで 演奏された2.は僕のツボを激しく刺激する素晴らしい演奏だった。終了後に飛びつくようにCDを購入したことは 言うまでも無い。このCD絶対お勧め、ジャズギター小僧必携すべし!
心を歌う
アンコールは、ノリノリの9.だったが、更なるアンコールの拍手が店内を埋め尽くす。 最後の最後にやはりCD収録ナンバーで日本人には馴染みの深い曲をデュオで披露してくれた。 静かなギターイントロを聴いて、一瞬「スカボロフェアー」が始まるかと思った。 そしたらYAYOIさんから発せられた歌はなんと「りんご追分」ではないか。 イギリス民謡と日本の心を歌った不朽の名曲、同じ香りをたたえていても何ら不思議はない。 岩見さんのアレンジは我々が心の深奥に眠らせている「何か大事なもの」を呼び覚ませてくれる くらい素晴らしいものだった。
アフターアワーズ
演奏終了と同時に、岩見さんを質問攻めにするインプロの若きギタリストたち。 由川さんもたじたじの物凄い向上心である。それに真っ向から応える岩見さんの熱意も凄い。 熱い視線を指とギターに向けるNAKAIさんは、 岩見さんの指からジリジリと煙が出てきそうなくらいの強烈なビームを照射している。 岩見さんの指示のもと、ギターデュオに挑んでいるのはバンノさん。 聴いているこちらも楽しくなってきるくらいに和やかな光景だった。 Kancoちゃんは、酒バラ、マイワンといったレパートリーを岩見さんのギターでサラリと歌う。 ギタリストにとってボーカルの伴奏をすることはこの上なくいい勉強になるというのが岩見さんの持論。 Kancoちゃんも、「是非みんなと一緒に歌ってあげて下さい」と岩見さんからインプロのギタリスト育成を 託されていた。こうして夜はふけていき、ギタリストたちから強引に岩見先生をひっぺがして打ち上げに移行。 残念ながら北川さんは、体調を気遣って中座。逆に猿渡さん、岩見さん、雅屋のマスターは絶好調でお得意の 「ラスト1杯!」が延々続いてゆく。フタを開けたらお開きはなんと午前3時。 僕は体が酒を受付けなかったので水でお付き合いだったが、楽しいお話が沢山聞けてもう大満足!

YAYOIさん
ミッシェル、ご馳走様でした!
中井さん、由川さん
クリニックを受ける中井さん、由川さん

岩見さん、???さん
岩見さんと夢のギターデュオ中
猿渡さん
岩見さんのギターで歌うのはKancoちゃん

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