姉さん舶来の流行歌を謡う!

神谷えり+後藤浩二3
神谷えり(vo) 後藤浩二(p) 島田剛(b) 猿渡泰幸(ds)

Kamiya Standard Clinic
「スタンダード・ナンバー」とは何か?神谷先生はこう語る。

   美しいメロディーと歌詞を持ち、何年たっても様々な人に歌い継がれているナンバー、それがスタンダードです

確かに非の打ち所の無い模範解答である。じゃあ、ある曲がスタンダードなのかスタンダードじゃないのかはどうやって判断するの? なんて問われたとき・・・こんな難題に対しても神谷先生は明確なアンサーを持っていた。

  『スタンダード・ナンバーのすべて』という本に載っているナンバーがスタンダードです(きっぱり!)

ハハハッ、KAMIYA流のシャレだ!でもこの問いにこれ以上の答えはないのでは・・・。スタンダードかどうかなんて結局主観的なもので、 くだんの「本」は僕らが心の本棚に一冊づつ持っているもの。今日は神谷先生の本棚の『スタンダードのすべて』を覗かせても らうことにしよう。

姉さん vs 悪代官
後藤さん、島田さんはもう何度も神谷さんのバックを務めているとのことだが、猿渡さんは今回の岐阜ツアー(パイプ→風庵→BAGU)が 初共演となる。3月に神谷さんがBAGUに初登場したときから「えりちゃん俺のタイプや〜」と公言してはばからなかった猿渡さん。 そんなわけで「タイプの歌手」の後ろで悪代官がどんなサポートを見せてくれるか・・・なんてのも今日の聴き所となる。
お寺でジャズ
山寺「法福時」から発信される「アメリカの流行歌」。ステージ脇には僧服にネックレス(数珠ともいう)、足袋に雪駄という いでたちのご住職がにこやかにリズムをとっている。このアンマッチが「ギャラリー風庵」の魅力でもあるのだ。 そんな中、神谷さん登場。明るい照明の下、これまた明るいピンク系のワンピースが映えまくり。髪も短くカットして、 3月のBAGUライブの時とはまったく違った「夏仕様えりちゃん」になっている。 何故か、楽屋入りした時、歌い手さんと思ってもらえなくて、お客さんに間違われたとのこと(笑)。 確かに、これまで「風庵」を彩ってくれた三槻直子さん、金子晴美さんといったベテラン陣とはちょっと(かなり)違うかも・・・。
standard start
1−2.は、日本でも終戦後に盛んに演奏されて、当時青春時代を送った年齢層には今だ強い人気を誇るといわれるとにかく古い曲。 最近ではあまり歌われなくなってしまったようだがこんなところで聴けるとは!意外なオープニングに少々ビックリ。 歌は古くともアレンジはいたって現代風、神谷さんの力強いシャウトがギャラリー内をビンビン震わせる。 1−4.は次期スタンダード候補の先行披露。15年後には『スタンダードのすべて』に収録されるはず、という神谷さん。 因みに僕が委員長を務める『スタンダード認定委員会(会員1名)』では既に20年ほど前からスタンダードとして認定されている名曲だ。
後藤浩二トリオの真価
本日初のバラード1−5.は、あくまで静かに、綺麗に、感情こめて・・・。まさにバックのサポートが問われる一曲。 目を閉じてグッと歌に没入する神谷さんを包み込むようなピアノ、ベース、ブラシ。 「ジャズは芸術じゃー、居ずまいを正して聴くのじゃー」と思わせてくれるような素晴らしい演奏。静かにエンディングして神谷さんが一言。

   「美しいピアノ、後藤浩二〜!そして美しい・・・猿渡泰幸〜!」

あんだってー!ウ・ツ・ク・シ・イ・サ・ワ・タ・リ・ヤ・ス・ユ・キ〜。もちろん場内大爆笑。


1st set
1.my romance (trio)
2.on a slow boat to china
3.day by day
4.feel like making love
5.smile
6.but not for me
島田さん
名古屋の若手ナンバーワン ベース!
後藤さん、神谷さん
ゴン太〜、say you love me やろ〜
2rd set
1.fly me to the moon
2.shadow of your smile
3.almost like being love
4.lately
5.one note samba
6.say you love me (an encore)

風庵の休憩時間
「ギャラリー風庵」はもちろん禁煙。表に灰皿が用意してあるため、休憩時間にはみんな外に出て「集団ホタル族」となる。 僕はタバコを吸わないが、ミュージシャンたちもそこに集るためいつも「非発光性の変種ホタル」としてそこにブーンと 飛んでゆくことにしている。大野先生、広井さん、大井さん、後藤さん、猿渡さん、皆お尻を光らせながら 「今日の演奏どおよ?」「音響バランスはいい?」なんて話になる。今日はプレーヤー、リスナーともに「文句無し!」とタイコ伴。 2セット目も大いに期待できる。
心が「いそしぐ」とき・・・
2−2.はご存知「いそしぎ」という鳥の名前が邦題となっている。 映画のポスターに「いそしぎ」という鳥が描かれていたためこのような題名になったそうだ。 「shadow of your smile」のどこが鳥やねん!と声高に異議を唱える神谷さん、実は最初海草の一種だと思ったらしい(笑)。 かくいう僕も人のことを笑ってはいられない。「いそしぎ」のことを、ある種の心模様を表す動詞「いそしぐ」の名詞形 だと思ってた。
感動再び
2−3.は前回のBAGUライブでベストパフォーマンスに選定した演奏。これはイイ!何度聴いてもイイものはイイのだ。 しかも今日は地元のトリオとの共演だ。あの時の興奮が蘇ってくる。 感動再びといえば、2−4.も同様。その切ない歌詞を一通り紹介して「ねっ、猿渡さん!」とふった。 ハハハッ、スネに傷を持つ(?)悪代官、もちろん笑ってごまかしたことは言うまでも無い。
品切れご免
実は、このライブのフライヤーには既に演奏曲目の一部がクレジットされていた。 その中の1つが「イパネマの娘」。これからの季節には欠かせないボサノバの超人気曲だ。 ところが、どうも「イパネマ」は1時間ほど前にSOLDOUTになってしまったらしい。 どこで誰に売ってしまったのか・・・そんな野暮なことは聞きっこなし。とにかくもう店頭にはないのだ。 代わりに出てきたのが同じくジョビン社制の2−5.、個人的にはむしろこちらの方が好むところ。 かっこいいラテンノリでガンガン飛ばす4人。本日ラストはまさにカーニバル状態。この時、ここが各務原丘陵に静かに佇む 山寺であることはすっかり忘れ去られていた。
アンコール熟考
さて、恒例の花束贈呈が済み、アンコールのお時間。正直、何も考えていなかったという神谷さん。

  「ねーゴン太〜、何やろっか〜」(ゴン太=後藤浩二)

長考の末、パティ・オースチンの2−6.を選んだ・・・がしかし、ゴン太くんが「それ、知らないよ」と一言。 そして再び先手神谷名人、長考に入る。しばらく考えた挙句、

  「ゴン太!大丈夫!君ならできる!あーして、こーして、コードはこうで、それを繰り返して・・・」

と説明を始めたではないか。後藤さんもその説明だけで、即「OK」サインを出しいきなりイントロを弾き始める。 いやー、プロとはたいしたものだ。神谷さんソウル系はもうお手のもの、サックス(ラッパ?)の口マネソロなどを織り交ぜながら 痛快に歌いきる。お見事!

「笑顔」の免許皆伝
猿渡さんのタイコは明るいタイコ。歌い手が振り返るとそこには必ず猿渡泰幸の「正しい笑顔」がある。 そんなところにバンドの温かみを感じるという神谷さん。正しい「笑い声」ではなく、あくまで「笑顔」です(笑)。 猿渡さんのブラシ&神谷さんの歌のインタープレイで始まった2−3.などは、「正しい笑顔」でアイコンタクトをとる二人の姿が 演奏に物凄い勢いをつけていた。岐阜ツアーも残すところ明日のBAGUのみ。 「スタンダードな笑顔」を持つドラマーは、いよいよ本拠地でその本領を余すところなく発揮してくれるでしょう。

神谷さん
熱唱に継ぐ熱唱
猿渡さん
これは正しい真顔?

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